帰郷
過労で倒れ体力もがた落ち 気力も失せて学校も続かず 孤独にさいなまれ ふと
母の元に帰ろう 帰ってもいいよね
電話をしたら帰ってもいいと
父は相変わらずだけど帰ってもいいと
嬉しかったなぁ 両親は遠い田舎に引っ越していた。生まれ故郷らしかった。いてもたっても居られずすぐに田舎に帰る準備をし実行した。帰って与えられた部屋は三畳の物置だった所。それでも家族ごっこが出来ると淡い期待は儚く消えるのにそんなに時間は要らなかった。相変わらずのクズっぶりを見せてもらったよ でも私もきっちり反撃する生意気な娘になってた
良かれと思い立ち向かっているつもりだった
そんなぎくしゃくした時を一年過ごした頃 母から 出ていってくれないか お前がいるとクズとの間に挟まれて私が辛いと
もうね 完璧に一人になったなと 元の県に職場を探しもちろん寮つき 逃げるように家を出た 原因?血だな
半分入ってるクズの血 反りが合うはずがない 仕方ないね 諦めの境地を極めた19の春 桜なんか見たくもなかった。